三浦ノート

自分の経験したことを検索可能にしていくブログ.誰かの役に立ってくれれば嬉しいです.

単体複体としての連結性と位相空間としての連結性が同値であることの証明

目次 記法 定義 位相空間が連結である. 位相空間が弧状連結である. 単体複体が連結である. 補題 命題 証明 K が複体として連結である. ⇒ |K| は位相空間として連結である. K が複体として連結である. ⇐ |K| は位相空間として連結である. 記法 K(0) は…

ポテンシャルの存在しない空間における1次元自由粒子のシュレディンガー方程式

ポテンシャルの存在しない ( V(x,t) = 0 ) 空間における1次元自由粒子について考える. 目次 シュレディンガー方程式の変数分離 定常解 確率密度と確率流密度 分散関係 シュレディンガー方程式の変数分離 V = 0 のときのシュレディンガー方程式は \begin{equ…

運動量演算子の固有関数の正規直交性と完全性

運動量演算子 $-i\hbar \frac{d}{dx}$ の性質を述べる. 目次 固有値方程式と固有関数 離散固有値 直交性 完全性 固有値方程式と固有関数 k を任意の定数として,微分方程式 \begin{equation} -i\hbar \frac{d \psi(x)}{dx} = \hbar k \psi (x) \end{equatio…

ポテンシャル V 中の粒子の確率密度に関する連続の式(微分形・積分形)の導出と確率密度・確率流密度の物理的意味

目次 問題 (a)の解答 (b)の解答 (c)の解答 問題 ポテンシャル V(r , t) 中の粒子の状態を記述するシュレーディンガー方程式を \[i\hbar \frac{\partial}{\partial t} \psi (\boldsymbol{r},t) = \left(-\frac{\hbar^2}{2m}\nabla^2+V(\boldsymbol{r},t) \rig…

beamerで水平線に色を付けるためxcolorパッケージのオプションを指定しようとしたがbeamerと競合したので気をつけよう

経緯と問題 beamer を使ってポスターを作っているとき,\hruleで引く水平線に色を付けたいと思った. そこで調べると,xcolorパッケージでオプションを選ぶと指定できる色の種類が増えることを知った.*1 そこでプリアンブルに\usepackage[x11names]{xcolor}…

水素原子の基底状態のエネルギーと半径の長さの古典的概算

問題 水素原子が半径 $r_0$ の球と考える.電子の位置の不確定さが $r_0$ 程度で,$r_0$ と運動量の不確かさ $p_0$ の積 $r_0 p_0$ が最小になる基底状態を考えると、不確定性原理より運動量の不確定さは $\hbar / r_0$ 程度ということになる.電子の持つエ…

1000ボルトで加速した電子の位置と運動量の測定不確定性

問題 1000ボルトで加速した電子の位置 x と運動量 p を,同時に測定することを考える.位置の精度を 10-10 m で測定できたならば,運動量成分は何パーセント程度の測定となるか. 解答 電子の持つエネルギーは eV [J] である.(e:電荷素量.V = 1000) ポ…

ガウス波束の運動量表示とその不確定性

問題 ガウス波束の不確定性(位置と運動量のゆらぎの積)の計算 - 哲数物を学ぶ 上の記事の問題の設定において,運動量の確率密度を求め,図示せよ.位置と運動量の確率密度の幅から,不確定性関係を考察せよ. 解答 運動量固有状態の位置表示波動関数 \begi…

ガウス波束の不確定性(位置と運動量のゆらぎの積)の計算

目次 問題 (a) の解答 (b) の解答 (c) の解答 問題 1次元の自由な空間で,つぎの波動関数(波束)が定義されているとする. \[\psi (x) = A \exp [- \frac{x^2}{2\sigma^2} + ikx ] \] (a) この波動関数における位置の確率密度を求め,全空間で積分した結果が …

「準同型写像 f が単射である」ことと「 Ker f = {0} 」は同値であることの証明

2つの群 X,Y について, 準同型写像 f : X → Y は単射 ⇔ Ker f = {0} (0 は 単位元) を示そう. 目次 f は単射 ⇒ Ker f = {0} の証明 Ker f = {0} ⇒ f は単射 の証明 f は単射 ⇒ Ker f = {0} の証明 f の準同型性より,∀x ∈ X に対し,f(x) = f(x+0) = f…