三浦と窮理とブログ

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1次元調和振動子のシュレディンガー方程式をエルミート多項式で書き下す

量子力学演習シリーズ

ある固定した中心に向かって,その中心からの粒子の変位に比例した力を粒子が受ける場合を考える.その時のポテンシャルは V(x) = mω2 x2 /2 で表され,このようなポテンシャルに従う系を調和振動子系という.(ω は角振動数) この系のシュレディンガー方程式の一般解を求めよう.

波動関数を ψ(x) ,エネルギー固有値を E とすると,シュレディンガー方程式は,

\begin{equation} -\frac{\hbar^2}{2m}\frac{\partial^2}{\partial x^2} \psi(x) = (E-\frac{m\omega^2}{2}x^2)\psi(x) \label{eq:Sch} \end{equation}

である.

方程式の見通しをよくするために方程式を無次元量だけの式に書き換えることをする.

\begin{equation} \xi := \sqrt{\frac{m\omega}{\hbar}}x ~,~ \lambda := \frac{2E}{\hbar \omega} ~,~ \psi(x) = u(\xi) \end{equation}

という変数変換をすることで,式\eqref{eq:Sch} は

\begin{equation} \frac{d^2 u}{d\xi^2} + (\lambda-\xi^2) u =0 \label{eq:39} \end{equation}

と書き換えられる. ▶クリックで途中計算を開く

式\eqref{eq:39}の解を u(ξ) = e2/2f(ξ) としたとき,f(ξ) は微分方程式

\begin{equation} \frac{d^2 f}{d\xi^2} - 2\xi \frac{df}{d\xi} + (\lambda-1) f =0 \label{eq:40} \end{equation}

をみたす. ▶クリックで途中計算を開く

式\eqref{eq:40}の微分方程式で λ = 2n+1 とした場合は, エルミート多項式 $ H_n (\xi) = (-1)^n e^{x^2} \frac{d^n}{d\xi^n}e^{-x^2} $ が満たす微分方程式

\begin{equation} \frac{d^2 H_n}{d\xi^2} - 2\xi \frac{dH_n}{d\xi} + 2n H_n =0 \end{equation}

と同じ形をしていることが分かる.よってこの調和振動子系のシュレディンガー方程式の解はエルミート多項式を調べればわかる.すなわち un(ξ) = Hn(ξ)e2/2 となる.この解を規格化すれば実際の物理的な状態を表す式になる.

例えば n=0 のとき,λ = 1 より E0=1/2 ℏω となり,H0 = 1 より u0(ξ) = e2/2 となる.