三浦ノート

自分の経験したことを検索可能にしていくブログ.誰かの役に立ってくれれば嬉しいです.

LaTeXで総和記号のΣを普通の文字サイズにする

本記事ではLaTeXで小さな総和記号の定義をする方法を紹介します.LaTeXで総和のΣや総乗のΠなどを書くとき,大型演算子のコマンドの`\sum` $\displaystyle \sum$ や`\prod` $\displaystyle \prod$ を使うのが一般的だと思います.他にも `\bigcup` $\displays…

ユークリッド距離空間の開集合についての例題

ユークリッド距離空間の開集合に関する例題を解いたので共有します.図をしっかり描いたので伝わってもらえると思います.正方形領域は開集合である.開球 は開集合である.1点集合は開集合ではない.任意の開集合の和集合は開集合である.y > x 領域 は開集…

3粒子系の合成角運動量の状態数を数える例題

3個の粒子系を考える. 各粒子の角運動量を表す演算子を J1 , J 2,J3 と表し,粒子系全体の合成角運動量演算子を J と表すとする. ここで,各粒子が角運動量 $ \ell _ 1 = 4 , \ell _ 2 =3 , \ell _ 3 =2 $ をもつ場合を考える. この粒子系の全角運動量 j …

ニュートリノ・電子散乱の荷電カレントのフィルツ変換の導出

次の教科書の11.2節より,SU(2)×U(1) 電弱理論における,電子ニュートリノ $\nu _ e$・電子 $e$ の弾性散乱を考える.散乱振幅 $T(\nu _ e e \to \nu _ e e) $において,荷電カレント相互作用の寄与は以下で表される.これがフィルツ変換により,に式変形で…

2つの可換な角運動量演算子の和は角運動量演算子である

目次 2つの角運動量演算子の和は角運動量演算子である 導出 スピン軌道相互作用が働く系での保存量 導出 2つの角運動量演算子の和は角運動量演算子である 二つの角運動量演算子$ \hat{\boldsymbol{J}} _ 1,\hat{\boldsymbol{J}} _ 2 $が可換であるとき,その…

一様な外磁場中のスピン角運動量演算子の時間発展

外磁場 $ \boldsymbol{B} $ と電子の相互作用エネルギーは $ H = - \boldsymbol{\mu}\cdot\boldsymbol{B} = \frac{e}{mc}\boldsymbol{S}\cdot\boldsymbol{B} $ で与えられる.ここに $ \boldsymbol{S} $ は電子のスピンである. このスピン演算子の時間発展 …

一様な磁場中のスピン状態の時間発展

$ z $ 方向の均一な磁場 $ \boldsymbol{B} = (0,0,B) $ 中の電子のスピンが,$ t=0 $ で $ +x $ 方向を向いている. スピンの運動に関するハミルトニアンは, ボーア磁子 を $ \beta _ B = e\hbar /2m_ec $ とすると, $ \hat{H} = - \frac{2\beta _ { B } B…

スピン1/2の角運動量演算子のパウリ行列による表示

スピン1/2の場合について,スピン角運動量演算子$ \hat{S}_z $の固有値$ \pm \hbar /2 $の固有状態を$ |\pm\frac{1}{2} \rangle $と表すとする.すなわち次が成り立つ. \begin{equation} \hat{S}_z |\pm\frac{1}{2} \rangle = \pm \frac{\hbar}{2}|\pm\frac…

縮小写像の原理の応用練習問題

縮小写像の原理(バナッハの不動点定理)を用いて次の命題を示そう.この写像を k 回くり返した写像 fk = f ◦ f ◦…◦ f が k ≥ 2 において縮小写像であるとする.このとき,f は X 上に不動点を一つ持つ.非線形積分方程式への応用

任意の複素正方行列は2つのユニタリー行列を用いて対角行列に変換できることの証明

任意の n 次複素正方行列 M (ただし det M ≠ 0 )は,2つのユニタリー行列 U,V を用いて, U†MV = M _ D (M _ D は,対角成分がすべて正の実数である対角行列)と書くことができる.これは bi-unitary 変換 とも言われる.このことを証明しよう.