地球上で空気が高さ方向に静止していて熱平衡であり,温度が $ T $ とする.単位面積の底面をもつ空気柱を考える.高さ $ h $ と $ h+dh $ の間の圧力差 $ dp $ は
\begin{equation}
d p = - \rho ( h ) g d h
\end{equation}
となる. $ \rho(h) $ [質量/体積]は高さ $ h $ での空気の質量密度, $ g $ は重力加速度である.
空気を平均分子量 $ M $ の理想気体として,高さ $ h $ における圧力 $ p(h) $ は地表の圧力を $ p _ 0 $ として,
\begin{equation}
p(h) = p _ 0 \exp \left (- \frac{Mg}{RT} h \right )
\end{equation}
となる.高さによって圧力が指数的に減少することが言える.
詳細
高さ $ h $ の位置にある,単位底面積を持つ高さ $ dh $ の円柱の力のつり合い条件より,
\begin{align}
&p(h+dh) + g \rho(h)dh = p(h)
\\
\Leftrightarrow\quad& p(h+dh) -p(h) = -g \rho(h)dh
\\
\Leftrightarrow\quad& dp = -g \rho(h)dh \label{eq:netu2dp}
\end{align}
が成り立つ.
右図の円柱の体積を $ V $ ,含まれている空気の物質量を $ n $ とする.空気の平均分子量が $ M $ なので,平均モル質量は $ M $ [質量/mol]である. (モル質量 - Wikipedia)
よって
\begin{align}
Mn = \rho V
\end{align}
が成り立つ.よって理想気体の状態方程式より
\begin{align}
&pV = nRT
\\
\Leftrightarrow\quad& \frac{n}{V} =\frac{1}{RT}p
\\
\Leftrightarrow\quad& \frac{\rho}{M} = \frac{1}{RT}p
\\
\Leftrightarrow\quad& \rho(h) = \frac{M}{RT} p(h)
\end{align}
よって式\eqref{eq:netu2dp}より,
\begin{align}
\frac{dp}{dh} = - \frac{Mg}{RT} p(h).
\end{align}
よって,地表の圧力を $ p _ 0 :=p(h=0) $ を用いて,
\begin{equation}
p(h) = p _ 0 \exp \left ( - \frac{Mg}{RT} h \right )
\end{equation}
である.
参考
- 作者: 三宅哲
- 出版社/メーカー: 裳華房
- 発売日: 1989/04/01
- メディア: 単行本
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