三浦と窮理とブログ

主に物理学・数学について自分が勉強してきたことについて書いていきます.誰かの役に立ってくれれば嬉しいです.

数学

縮小写像の原理の応用練習問題

縮小写像の原理(バナッハの不動点定理)を用いて次の命題を示そう.この写像を k 回くり返した写像 fk = f ◦ f ◦…◦ f が k ≥ 2 において縮小写像であるとする.このとき,f は X 上に不動点を一つ持つ.非線形積分方程式への応用

任意の複素正方行列は2つのユニタリー行列を用いて対角行列に変換できることの証明

任意の n 次複素正方行列 M (ただし det M ≠ 0 )は,2つのユニタリー行列 U,V を用いて, U†MV = M _ D (M _ D は,対角成分がすべて正の実数である対角行列)と書くことができる.これは bi-unitary 変換 とも言われる.このことを証明しよう.

コーシー積の公式の足し上げのイメージ

コーシー積の公式を少し詳しく書き下すと足し上げ方のイメージが確実になったと思うのでそれを共有する. ij 格子平面上の値 a_i b_j を考えた時,左辺の和は四角く足していくイメージ,右辺の和は3角形で足していくイメージである.無限和をとらないと成り…

対称テンソルと反対称テンソルの縮約は0になることの証明

対称テンソルと反対称テンソルの縮約は0になることを示そう. 2階の対称テンソル Tij と2階の反対称テンソル Skl について,この2つの添え字の縮約を行う. 記法はアインシュタインの規約を用いる. Tij Sij = - Tji Sji = - Tij Sij (添え字を付け直した…

latexで脚注の文字サイズを本文の文字サイズと同じにする方法

LaTeXで脚注の文字サイズを本文中のものと同じにするときはプリアンブルに以下を入力すればいい. \renewcommand{\footnotesize}{\normalsize} これは単純に文字サイズを指定するコマンドの\footnotesizeの設定を再定義しただけである. つまり,脚注とは関…

無限小座標変換による体積要素の微小変化量

任意の無限小座標変換 $ x^\mu \to x'^\mu = x^\mu + \delta x^\mu $ において,体積要素 $ d^4x $ は \begin{equation}\label{eq:d4x} d^4x \to d^4x' = d^4x + d^4x\partial_\mu \delta x^\mu \end{equation} と変換されることを示そう. 小行列式と余因子…

maximaで正方行列の小行列式を一度に全て計算して書き出す関数

maxima で正方行列 X = (Xij) の(i,j)小行列式を全て書き出す関数が以下である. minors(X):=for i:1 while i<=matrix_size(X)[1] do (for j:1 while j<=matrix_size(X)[1] do print(i,j,"=",determinant(minor(X,i,j)))) 単純にminor関数を繰り返して計算し…

LaTeXで \underbrace で数式の下に長めの文字列を表示しても空白が出ないようにする方法

LaTeX で mathtools パッケージの \mathclap コマンドを使うことで,\underbrace で数式の下に長い説明を入れても数式の方に空白が出ないようにできる. 例 MathJaxではmathtoolsに対応してなくて中央寄せができないそうなので,以下に示す例は右寄せになっ…

フラクトゥーア(ドイツ文字)の発音・手書きの Anki 単語帳

フラクトゥーア (ドイツ文字)の発音と手書きを覚えるためにAnki単語帳を作った. 公開ページ → Fraktur pronunciation&handwriting - AnkiWeb カードの構成 表面 LaTeXを使ってフラクトゥーアの各文字を表示する. 裏面 対応したRoman アルファベット 発音…

位相幾何学の記法まとめ

本ブログでの位相幾何学について述べられているページでの記法をまとめる. 主に参考 *1 にしたがっている. 単体ホモロジー K(0) は単体複体 K に含まれる0-単体(頂点)の集合. |K| は単体複体 K をRm 上の部分集合として見たもの.すなわち $|K| = {\displ…

球対称な時空の計量の微分形式を用いた導出

あるまとまった領域に質量 m と電荷 Q が存在し,その周りに球対称な部分空間が形成された時空の計量は \begin{equation} ds^2 = - \left(1- \frac{2m}{r} +\frac{Q^2}{r^2} - \frac{1}{3}\Lambda r^2 \right)dt^2 +\left(1- \frac{2m}{r} +\frac{Q^2}{r^2} …

単体複体としての連結性と位相空間としての連結性が同値であることの証明

目次 記法 定義 位相空間が連結である. 位相空間が弧状連結である. 単体複体が連結である. 補題 命題 証明 K が複体として連結である. ⇒ |K| は位相空間として連結である. K が複体として連結である. ⇐ |K| は位相空間として連結である. 記法 K(0) は…

「準同型写像 f が単射である」ことと「 Ker f = {0} 」は同値であることの証明

2つの群 X,Y について, 準同型写像 f : X → Y は単射 ⇔ Ker f = {0} (0 は 単位元) を示そう. 目次 f は単射 ⇒ Ker f = {0} の証明 Ker f = {0} ⇒ f は単射 の証明 f は単射 ⇒ Ker f = {0} の証明 f の準同型性より,∀x ∈ X に対し,f(x) = f(x+0) = f…

相加・相乗平均の不等式はグラフも一緒に見て記憶に残しやすくしましょう

相加・相乗平均の3次元グラフを描く.描画ソフトはgeogebraを用いる. 相加・相乗平均の不等式 実数 $a , b \geq 0$ に対し,$\displaystyle \frac{a+b}{2} \geq \sqrt{ab}$ が成り立つ.等号条件は $a=b$ である. $\displaystyle \frac{a+b}{2}$ と $\sqrt…

ディラックのデルタ関数 $\delta (x)$ に普通の関数が入力されているときのふるまい

命題 ディラックのデルタ関数 $\delta(x)$ について以下の公式が成り立つ. 公式(a) \begin{equation} \displaystyle \delta \left((x-a)(x-b) \right)=\frac{1}{|a-b|} [\delta (x-a)+\delta(x-b)] ,a \neq b \end{equation} 公式(b) 方程式 f(x) = 0 に対…

MathJaxで数式の上から斜線で取り消し線を引く方法(\cancelコマンドの読み込み方)

Latexで数式の上から斜線の取り消し線を引くにはcancel.styというスタイルファイルをインポートして\cancelコマンドを用いればよい.同様にMathJaxではcancel.jsというエクステンションをインポートすることで\cancelコマンドが使えるようになる.エクステン…

1次元イジング模型はマルコフ連鎖確率過程をなす

設定と表記方法 証明 参考文献 設定と表記方法 最近接相互作用のみを持つ1次元イジング模型を考える.この系のハミルトニアンを \begin{equation} H(\sigma_1 , \sigma_2 , \cdots , \sigma_N)=-J\sum^N_{i=1}\sigma_{i} \sigma_{i+1}-H\sum_{i=1}^N \sigma…

PowerPointでLaTeXのコマンドを用いて数式の入力をする方法

最近,Office365のアップデートによりWordとPowerPointとOneNoteの数式入力ツールにおいてLaTeXのコマンドを使うことができるようになった. 以下のサイトに詳細が書かれている. LaTeX Math in Office – Murray Sargent: Math in Office PowerPointにおいて…

sinc関数を用いたガウス関数(正規分布)の近似

$\displaystyle{\lim_{n \to \infty} {\rm sinc}^{n} \left(\frac{x}{\sqrt{n}} \right) = e^{-\frac{x^2}{6}}}$ の証明 \begin{eqnarray} {\rm sinc}^n \left(\frac{x}{\sqrt{n}} \right) &=& \left(\frac{\sin \frac{x}{\sqrt{n}}}{\frac{x}{\sqrt{n}}} \r…

複素数z=x+iyと外積の性質を用いて二重積分 ∫dxdy を ∫dzdz* と表示する.

多重積分に現れる微小要素 というのは外積として定義する考え方がある. つまり は詳しくは という外積の記号が省略されている. 2変数関数 の積分を複素数 とその複素共役 を用いた関数 の積分に変換するときはその微小要素の変換は以下のようになる.

word2016で数式の右端に数式番号を入力し,相互参照する方法

word2016の数式入力で数式番号を数式の右端に入力する方法をまとめる.表を用いた方法などはすでに紹介しているサイトが他にたくさんあるが,ここでは表を使わず数式ツールとSEQフィールドを用いてキーボード入力だけで数式番号を入力する方法を紹介する.相…

『証明と論理に強くなる』を読んだ

『証明と論理に強くなる』 著:小島寛之 2017年 証明と論理に強くなる ~論理式の読み方から、ゲーデルの門前まで~ (知の扉)作者: 小島寛之出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2017/01/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る…

『脳はいかにして数学を生みだすのか』を読んだ

『脳はいかにして数学を生みだすのか』 著:武田暁 2016 を読んだ. 著者の武田暁氏は長年素粒子物理学の研究されている理論物理学者である.現在では脳科学の研究をしていて本書のような脳と科学との関連についての本を何冊か出している.本書では人間が長…